特ダネ

ある新聞記事のおかげで、昨日は散々な1日だった。
あの記事はトリッキーな引用をしており、「うまい」というか「ずるい」。
周りはそのことに気づかず、誤った認識のまま慌てふためいていたが、
冷静に読めば分かる。
進言した当初はなかなか分かってもらえなかったけど。アホか…。


自分のことでは冷静になれないのにね。
皮肉だけど、まあそんなもんかな。


しかし、週末のイベントを控え、ただでさえ忙しいのに…。
むかつく。目が回りそうだった。
あ、夕方に自分的に面白いネタをいくつか仕入れることができた。
ここには書けないけど。


残業して積み残した仕事を片付けたいところだったが、
前からの約束だったので飲み会へ。遅刻したけど。
面子的に自然と例の記事が話題に上る。


例の記事は、一社だけが抜いた「特ダネ」だった。
それも全国紙の1面だったから結構デカい。
「やはり自分が記者である限り、特ダネを取りたい」と彼らは言う。


ただ、普通の家庭で購読している新聞は1紙だろうから、そういった
読み手には、今読んでいる記事が特ダネかどうかは分からないんじゃない?
ニュース番組で良くやっている新聞のザッピングやらを見ない限りは。
私がそう言うと、彼らはうなずいてまたこう言う。
「それでもいい。特ダネを取りたい」


テレビの記者が特ダネを取っても、放送すれば数分で多局に追随される。
でも、新聞の場合は1日近くは優位に立てる。だからなんだろうか。
何杯めかのビールグラスを口に運びながら考えた。


2軒めのバーでおじさまに自分の仕事の話をすると、
「お前は正しい。お前みたいなのが増えなきゃいけないし、
上に上がっていかないといけない」
と言われた。
なんかこれと同じようなことを、先日違う人からも言われたぞ…。
話した内容は全く違うけれど。


私達の仕事について批判することが多い彼から、そんなことを
言われたのが意外で、はじめ軽い驚きを覚えたが、良く考えると
批判しているからこそ私の考えを正しいと言ってくれたのか。
ということは私はやっぱりアウトサイダーなんだな。


自分の考えを正しいと言ってもらえるのは、素直に嬉しい。
でも、今の私にはまだ仲間がいないし、ましてや上に行く力など
何をか言わんや。