ひどい話

※グロい話が苦手な方、お食事前の方は読み飛ばしてください。


ちょっと病院に行かなくてはいけなかったので、早めに帰宅して
クルマで出かけた。留守にしていたのは賞味1時間ほどだったと思う。


帰ってきたら駐車場に異変が。
猫が何かに寄り添っていて動かない。
クルマを離れたところに停めて近寄り、息を飲んだ。
猫が寄り添っていたのは、別の猫の礫死体だった。


私の家の前は道が狭いので、タクシーだとかトラックだとかが
この駐車スペースで切り返しを行っているのを良く見る。
その時にこの猫は轢かれてしまったのだろうか。


とりあえず家に戻り、保健所に電話。
そこで教えてもらった市の委託業者に電話するも普通。
(業務時間は17:30まで。急いでかけて!と言われたが間に合わなかった17:36。。。)


どうしよう…と呆然としていると、外で「猫が!猫が!」と声がする。
慌てて出て行くと、近所のおばさんや女の子が3人ほど集まっていた。
今の状況を説明すると、おばさんが言った。
「しょうがない。私達でどうにかするしかないよ」


おばさんが新聞紙とナイロン袋を持ってきた。
駐車場はあくまで私有地。おばさんは部外者なのに…!
本当に申し訳ないと思いつつも、本当にありがたかった。
私はおばさんの指示に従ってゴミ収集場にある火バサミを取ってきた。


2人で火バサミで猫を新聞紙に包んで、ナイロン袋に入れる。
女の子が段ボール箱を取ってきてくれて、さらにそれに入れた。
「成仏しなさいよ。かわいそうにね」とおばさんが言う。


女の子がさらに水を汲んできてくれて、それで血をきれいに洗い流した。
ほうきやデッキブラシで地面をこする。
「血が固まる前で良かったよ。まだ今なら落ちるからね」とおばさん。
作業の間ずっと雨が降っていて、私達はずぶ濡れになった。


おばさんがいなかったら、どうなっていたことか。
おばさんに何度も何度もお礼を言った。
部屋に戻ってから、へなへなと力が抜けた。