こないだ街で

美容室の帰り、街をてろてろと歩いていると、向こうから
友達の男の子が歩いてくるのが見えた。
何か本を読みながら歩いている。危ない、これは注意しなければ。


んで、すれ違いざまに腕をわしと掴んで、「○○くん!」と言うと、
「ぎゃー!」と彼は叫んでしまった。


何を大げさな、と思ったら、読んでいた「SAW」という小説の
一番怖いところだったらしい。


それからしばらく「普通の女の子は、もう少し遠くにいる時から
『お〜い!』とか手を振りながら声をかけるもんだよ。
絶対腕とかわしづかみにしない」と説教をされた。


ちぇー、話題換えようと思って「髪の色変えたんだ〜。どおどお?」と言うと
「あー、いいんじゃない?で、これからデート?それともジム?」と言われた。


ジムだよ…。


悪いことに彼も同じジムに通っている。たまにしか来ないけど。
こないだ筋トレしてる時に「気合い入ってるね。合コン近いの?」と
声をかけられ、腰が抜けそうになった。


気合いが入った合コン前に行くのは、ジムじゃなくてエステだろうがよ…。


でも彼は、地元では希少な同じ学部出身の後輩なので、
もう少し大事にしようと思った。
今度はすれ違いざまに足をつかんでやろう。