2005-09-12 月 小さかった頃の話。月夜に外を歩いている時、どんなに歩いても歩いても、 月が自分から遠く離れていかないのが不思議だった。 不思議というよりも、いつまでもどこまでも月が自分を 追いかけてくることに、軽い恐怖すら覚えた。 月から逃げたくてたまらなくなることがあった。 そういうことがあったせいか、だいぶ大きくなるまで、 月のクレーターがウサギに見えなかった。 あんな不気味な星の上で、ウサギが餅つきやってるだなんて、 どうしても思えなかったな。