総天然色

さらに小さかった頃に関係する話。


私の新生児時代の写真は、カラープリントだ。
すこーし世代が上の人になると、
「そんなのもちろん白黒だったよ」と言われる。
これって年齢を計る1つのバロメータだな、面白いな、と思って
いろんな人に聞いてみていた。


「総天然色っていう言葉なんて知らないでしょ?」
私の質問に答えた後、こう聞いてきたおじさんがいた。
一応知ってるけど「言葉として知ってるだけ」です、と答えた。


総天然色はカラーの放送や、テレビそのものに使っていた言葉らしいが、
そのおじさんとは映画の話に。
邦画は長いこと白黒だったけど、洋画は最初からカラーだったような
覚えがあるらしい。


面白かったのが、エロ映画(邦画)の話。
おじさんが若い頃に上映されていたエロ映画は、話の導入部分は白黒で、
いざコトが始まるとカラーに切り替わっていたらしい。
どうして??と私が首をかしげる
「そりゃあカラーフィルムが高価だったからだよ」
と隣で一緒に話を聞いていたカメラマンのおじさんが教えてくれた。
納得。


「退屈な(若いからね)導入部分は、寝てても大丈夫なんだよ。
カラーに切り替わると、周りがザワザワしてちゃんと目が覚めるんだから」
おじさんはそう言うと、ワハワハと笑った。私も笑っちゃった。


いやあ、しかしあと15年くらいたったら、若い娘さんから
「私が生まれた時の写真、デジタルだったんですけど、latinさんはどうでした?」
とか聞かれるようになるんだろうね。くすくす。