不機嫌な果実

明け方、咳がひどくなって目が覚める。
その後はまったく眠れない。
だって、ゲホゲホとか可愛い咳じゃないもの。
#夏に咳であばら折ったよねなら、分かってくれるわよね?
#「よね」が韻を踏んでいる。う〜ん、マンダム。


朝8時頃、何度目か分からない咳き込み。異常に激しい。
たまらずバスルームに走り、喉かどこかから出血していることにに気づいた時、
昨日の上司の言葉をやっと思い出す。
「あのさ、君って今急ぎの仕事ないよね?ちょっと休まない?」


私は今、職場のバチルスでしかないのですね!
やっと分かりました!休みますとも!
電話をしたら二つ返事でOKが出た。


再びベッドの主へ逆戻り。
できるだけ飲みたくないブロチン達も飲んで、目を閉じる。
だってあまりにも「痛い」んですもの、この咳。
咳疲れのせいか、アモバンの力も借りずに数時間の熟睡。
咳さえ止まれば眠れるのだね。


目が覚めた時、前回のまともな食事から24時間以上経っていることに気づく。
お腹は減っていないけど、あんま良くないことくらい分かる。
とりあえずコーヒーを沸かして、カフェオレを作り、しばらくニュースなぞ見る。


うーん、しかし。やはり栄養は経口から。あんま食べたくはないが。
冷蔵庫からなすとしめじと鶏ひき肉を取り出し、トマトソースのパスタ。


昨日DVDを借りていて良かった。


みんな誰かの愛しい人(Comme une image)」


父親が有名な作家。継母はすごい美人。妹は5歳。自分はデブ。
自分に寄ってくる人間は、父親めあての男ばかり。
まあ主人公の女の子は、ごく普通の環境にはいるとは言えないかもしれない。


でも、彼女を見ていて思い出したのは「不機嫌な果実」。
林真理子の小説をドラマ化したの知ってる?原作読んだことないけど。
私が、あまり好きではない女子に使ってきた言葉だ。
今日良く分かった。私が嫌いな女子である「不機嫌な果実」が何なのか。
自分の不幸を「他人のせい」にするやつだ。


夜、咳き込みながらいろんな話をする。
私が今後ずっと大事にしていきたいと思う「ご機嫌な果実」を相手に。