神社

最近気づいたんだけど、私はお寺よりも神社が好きだ。
神社の方が「素直になれる感」が強い。


先月、今年還暦を迎えるメー子に付き添って神社に行った。
初詣に行くことはあっても、そういう神事に触れることはあまりないので、
興味津々で観察しまくった。
祝詞の効果なのか、あまりにも「素直」になってしまった私は、社殿を出た途端
「巫女さんの所作がかっこいいけど、顔が今イチ」
「神主さんの笛がヘタ」
などの暴言を吐きまくり、
「まだ鳥居の中にいるんだからやめなさい!」
とメー子に怒られた。


鳥居の外に出ればいいんですか、母さん…?
という台詞を飲み込んで、口をつぐんだ。んがんぐ。


すると、帰りのクルマの中で、ヒデや叔父や叔母が
「巫女さんの着物が変わったので、あれは偉くなったんだな」
「そうそう前はあそこまでやらせてもらえなかったもんねえ」
「昇進試験を受けたんだよ、昇進試験を」
「そういえばこないだ結婚式に彼女が来てたけど、最初誰だか分からなかったわ」
「へー、そういうアルバイトもあるんだな」
「違うわよ、招待客で来てたのよ」
「あの格好してないんだ。そりゃ分からないな」
と話し出した。


やっぱり鳥居の外に出ればいいみたい。


以前、陰陽師さんと飲んだ時、私の後ろには楠の木が見えると言われた。
実家のすぐそばにある神社には、楠の木があるんだよな。不思議なことに。