プレゼント

ねえ、ナナ。
あなたがくれたアクセサリーボックス、ガラスのマグカップ、ハンカチ。
私はずっと大切に使っているよ。


ナナは私があげたものをまだ使ってくれているかな?
でもね。私、あなたに何をあげたか覚えてないんだ。


…だめじゃん。
しかも自分、ハチの対極キャラじゃん。


相手に何をあげたかちゃんと覚えている時もある。
相手がそれを使ってくれているのを見ると、とても嬉しくなる。
胸がキューンレコード
私も相手からプレゼントされたものを大事に使おうと改めて思う。
反対に、使ってくれていないのが分かると、ちょい不安になるけど。


でも、プレゼントは形に残る「モノ」とは限らない。
「これ飲んで」「これ食べて」と贈られる消え物。
親しい人と一緒にすごした楽しい時間。
それもこれもステキなプレゼント。


少し前のこと。
帰宅後、付けていたはずのアクセサリーがないことに気づいた。
とてもお気に入りのいただきものだったので、青くなって外に飛び出した。
携帯電話の液晶の明かりを頼りに、半べそかきながら夜道を探し回ったけど、
見つけることができなかった。


「もらったあれ、なくしちゃったみたいなんだ。ほんとにごめん…」
と、恐る恐るメールすると、
「たかがモノじゃない!それより危ないから早く家に帰りなさい!」
という返事が来た。
その返事は、私がもらった新たなプレゼントだった。


翌日、帰宅途中に寄ったお店でそのアクセサリーは見つかった。
掃除をしていたアルバイトの兄ちゃんが拾ってくれていたらしい。
その兄ちゃんからさらにプレゼントをもらった気がした。


そういえば最近、携帯のバッテリーが弱っている。
新しい携帯買った方がいいのかな、と思いつつ、今使っているものに
ちょっとした思い出があって、なかなか買い替えに踏み切れない。
モノより思い出!じゃなくて、モノと思い出の融合。最強のプレゼント。


ところでナナ。あなたは高校生の時のゆみこだよ。