意地悪な子ども

子どもっていうのは本当に残酷な面を持つ生き物だ。
手加減をしないし、深くて暗くて冷たい自分の世界を持っている。
でも、繕わないわけではなく、それどころか大人顔負けの仮面をつけたりする。
子どもと話していると、そう思うことがたまにある。


こないだ2人めの子どもができた友人と話した。
「どうも上の子の機嫌が悪くてね。赤ちゃん返りするし、
今朝なんか幼稚園に行かない!って大騒ぎだったんだよ」
とため息をつく彼の言葉を聞いて、まだかわいいじゃないか、と思った。


私には2つ年下の妹がいる。
妹が家に来てから、私も彼の子どもと同じように機嫌が悪かった。
でも、2歳の私は「保育園に行かない!」なんて騒いで、親に怒られるような
分の悪いことはしなかった。


「○○ちゃん、病院に帰らんね(帰りなさい)」
妹に向かってそう言ってのけたのだ。


今でもこのエピソードは、実家でたびたび話題に上る。
「おそろしい子どもだ」「お姉ちゃんサイテ―」など、言われたい放題。
ほっとけ。その時の私は、自分の立場を守るために、最善の方策をとったのだ。
ちゃんと敬称もつけていて立派なもんだ。ほめてつかわす。


どうも最近「君は意地悪だね」と言われることが多いのだが、
この性格は2歳で既に完成されていたのだから仕方ない。
そう開き直ることにしている。