台風大好きガール

台風が来た。
「ここ10年中で一番大きな台風。最大限の警戒を」とニュースが伝える。


萌える。萌えてしまう。
と同時に、「ほんまかいな?」と疑心もつのる。
何度だまされてきたことか。「史上最大」という言葉に。
あたしは台風が大好きなのだ。ひどければひどいほど。


今まで経験した台風の中で一番ひどかったのは、
間違いなく中3の時に経験した台風17号&19号。
ありゃあひどかった。


家の中にいて、瓦が滑り落ちるのが分かった。すごい音と衝撃。
よその家の瓦が飛んできて窓を割り、雨が吹き込んできた。
中学校の体育館の屋根がメリメリはげて、青空体育館になった。
近くの高校の体育館の屋根もはげ飛んだ挙句に、うちの近所の
電線をぶった切り、あの区画はずっと停電してた。
水道水も長いこと赤茶色だった。
そしてブルーシートの値段がものすごく高騰した。
ゆみこんちは六甲のおいしい水でお風呂を沸かした(良く覚えてるでしょ?)。


でも、好き。台風が好き。
死人や怪我人も出てるのに不謹慎といえば不謹慎だが。
だって、人間がちっぽけだってことを思い出させてくれるから。


夕方スポーツクラブに電話したら、「19時まではやってます」と
いうので、その心意気を買って出かけることにする(バカ)。
とりあえずベランダの洗濯ロープが強風でぶち切れたのは片付けてから。


台風最接近時刻間近にスポーツクラブ到着。
さすがに人はほとんどいない。トレッチしながらレッスン開始を待つ。
スタジオは8階にあるので、たまに揺れる。


すると、スタッフがやってきて
「すみません!あっちのスタジオの鏡がものすごく揺れ出しました!
危険なので今日のレッスンは中止させてください!」
とのこと。
ほんまかいな〜。お前らが休みたいだけちゃうんかい〜!


仲良しのイントラとだべる。
「出勤途中に折れた木の枝が落ちてきて背中に当たった」
「大丈夫なん?」
「ちょうど通りがかったパトカーが窓開けて『大丈夫か〜?』と
言ってくれたけど、イケメンじゃなかったから『大丈夫』て言うた」


健全です。


ちょっとだけ筋トレして帰宅。
帰りしな、道路の雰囲気が変だと思ったら、停電で信号が無灯になってた。
みんなかえって安全運転してた様子。
コンビニも真っ暗で「停電してます」って張り紙して営業。
電線が切れて道路でブランブランしてるのを除けて運転。


廃墟が斜めになってた。
街路樹が自然剪定されてた。
いろんなもんが崩壊してた。
そしてあり得ないくらいの夕焼けで空は赤い。
あはは、なんか笑けてきた。


実家から電話がかかってきたので、興奮していろいろ報告したら
「あんたバッカじゃないの!もう家から出るな!」
と怒られた。ちぇー。
あっちはもうずっと停電してるらしい。


幸いあたしん家は停電してなかったので、ワンピースを読みふける台風ナイト。
たまに数秒電気が消えることはあるけど、支障はない。
全巻借りてて良かった〜、と読み耽る間、短い停電が何度か。
10冊ほど読んだところで長い停電に。


ろうそく付ける気も起きなかったので、暗闇の中でベッドに寝そべり、
さっきからなんとなく感じていたワンピースへのむかつきについて考える。
あー、戦闘シーンがうざいんだよなあ。読むのがめんどくさい。
しかも倒しても倒しても敵が出てきてむかつく。
お前はドラゴンボールか!BANANA FISHか!
そういやハンター×2は焼き直し疑惑があるんだってね。
と考えていると、電気復活。また読み始める。


今回の台風は最近の中ではなかなか良かったです。
それから、四国以北まで生き延びた台風はもはや台風ではないので、
皆さん騒いではいけません。