競艇

私は競艇の町で生まれ、中1までそこで育った。
うちの親は競艇はやらないので、競艇場に行ったことはない。
でも、家が競艇場からそう遠くないところにあるので、
どうかするとモーターの音は良く聞こえたし、
ボートの日は道路が渋滞するし、
ボートはそこそこ身近な存在だった。
まあ実のところ、ボートが何かは良く分からなかったのだけれど。


親戚にひとり、筋金入りのボート馬鹿のおっちゃんがいる。
実家で休んでいる時、久しぶりにおっちゃんに会った。
おっちゃんの奥さんがうちに来てたので、おっちゃんもうちで
ごはん食べなよー、って電話をしたら
「今な!ナイター中なんだよ!もう少ししたら行くから!ヴァーーー」
という絶叫で電話が切れた。


後でおっちゃんに「なんで絶叫したの?」と聞いたら、
「お前が電話してきた時に船が転覆したんだよ」とのこと。
そう、おっちゃんにとってのナイターは野球ではなく競艇なのだ。
おっちゃんは煙草も酒もやらないが、ボートのためにCATVには加入する。


蒲郡の券を買ってるのはココでは俺一人よ!
でもな!蒲郡は変換が難しいんだよ!」


おっちゃんどうも携帯の変換に失敗して券変えなかった模様。


おっちゃんは数十年ずっと負けていない(自称)。
昔は選手の血液型だけでやっていた。
「A型がここで仕掛けた時に、O型がここで刺す」って感じで。
最近はもう少し色々な情報を足しているらしいが。


まみちゃんがこないだ日記に書いてた「レバーを放る」の意味について聞くと
「レバーを放るぅ?そりゃ若手に後ろに付いて刺してくれって言ってるもんだ!
誰だ!そんなことを言ってるやつは!」と軽く熱くなっていた。
熱すぎると比喩ってのは無理なんだな、って思った。


どうでもいいけど、まだお尻が痛いです。