いいことも悪いことも

自分の仕事を囲い込む人がいる。
これは、抱え込むのよりタチが悪い時がある。


あたしは小さい頃からケチくさいところがあったので、
「いいこと」を知っても友達に教えなかったりした。
固い泥団子の作り方とか。


学生の頃、私の周りの人は自分が得た知識を
惜しげもなく周りの人に与えていた。
あたしにはもちろん知識はなかったからもらうばかりだったけど、
最初の頃はすごく不思議だった。
そんなんじゃ、教えたみんながどんどん泥団子作るの
上手になっちゃうのに!って。


でも、与えている人は、不思議なことにどんどん
泥団子作りが上手くなっていくのだ。
見ていて思ったのだが、与えらる分だけ
彼らも与えられていたんじゃないかな。


これってどこでも通用することではないのかもしれないけれど、
少なくとも、あそこにはそういう気風があった。


社会人になって10年近く経った。
そういう気風がないと思われる職業もあることが分かった。
でも、そこに身を置く彼らも、実は私には分からないレベルで
泥団子の作り方をちょっとだけ教えていることも分かった。


何も教えてくれない人には、私も何も教えてあげたくないもの。
気持ちは良く分かるわ。


今の職場では前述のような気風をあまり感じることはないけれど、
私は折りを見てみんなに泥団子の作り方を教えてあげよう。
それが何かにつながるかもしれないから。
どこかで見てる誰かが何かを感じるかもしれないから。


抱え込むってのは何も生み出さないと思ったんだ。
良いことも悪いことも。