イノセンス

理想の女性は、少佐。
でも、私に擬体化の道は開けていないから、生身の体を鍛えるしかない。


私が今のジムに通うようになって、2年以上が経った。
この2年の間、本当にいろんなことがあった。
ラテンやヨガに目覚めたのも、筋トレを始めたのも、ここに書き始めたのも、
自分の対人姿勢や「ものの考え方」を意識的に変え始めたのも、約2年前だ。


仕事、恋愛、友人、家族。
辛いことや忘れたいことがある時、私は敢えてジムに足を運んだ。
行くまでは「行くのやめようかなー」とぐずぐず考えていることもわりと多いが、
レーニングをして汗をかいて、時間があれば温泉につかって、サウナに入ると、
やる前までは考えられなかったような気持ちの余裕が生まれる。
「ま、今日のところはこれくらいにしてやろう」という感じかな。
健全な精神は健全な肉体に宿る、という言葉をつい思い出してしまう。
この言葉嫌いだけど。


しかし…。
「仕事、恋愛、友人、家族」というこの表記の順番。
何かを表しているな…。


私は普段、がむしゃらなトレーニングはしない。
効率的にやらないと時間がもったいない。
ヨガは「視点・呼吸・ポーズ」の調和、
ダンスは「いかに自分をかっこよく見せるか」、
筋トレは「どこの筋肉をどんなふうに鍛えているか」を意識して行う。
筋トレの時は、鍛えている箇所を意識するために、ポイントを手でバシバシ
叩いて刺激したりもする(これはオススメ)。


でも、こんなふうにオトナのトレーニングができない時もある。
あまりにも気持ちがぐじゃぐじゃで、クールになれない時は、全てを勘だけに
頼っためちゃくちゃな、でも汗だけはかけるトレーニングをしてしまう。
そんな時、「私、いつもはオトナのふりをしてるだけなんだな」と、ふと気づく。
まあ学生の頃よりは自分をコントロールできるようになったとは思うけど、
人間10年くらいでそうそう変われるもんじゃない。
とりあえずこういう時にケガだけはしないように気をつけよう。


そういえば先日。ラテンとヨガのレッスンを受けて、スタジオを出る時に、
センセイが「前から体柔らかかったけど、また柔らかくなったね」
と声をかけてくれた。
自分でも、以前より体が気持ちよく伸びるようになったな、と思う。
「ヨガはストレッチの競争じゃない」というのがセンセイの口癖。
だから、そんなふうにほめられることはあまりない。
素直に嬉しかった。


最近、調子が良い時は体脂肪率が20%を切るようになった。
でも「イノセンス」の中の少佐は、はっきり言って怖い。
普通の攻殻の時の少佐をめざそう。