観光地に住む者の憂鬱

私はいわゆる観光地に住んでいる。
毎朝カーテンを開けると、古い唐寺がいつも同じように建っているし、
休みの日に外が急にざわざわして、おそるおそる見てみると、うちの前で
観光客グループを引きつれたボランティアガイドが説明をしていたりする。
下町なので、市場や銭湯があるところも気に入っている。


部屋はちょっと狭いが、駐車場も付いているし(空くのを2年待った)、
会社にも歩いて行ける距離なので、住環境には満足している。


しかーし、憂鬱なことが1つある。それは、石畳。
うちから会社までの通勤路のほとんどに、石畳が敷いてある。
見た目には風情があるし、決して嫌いじゃないんだけど、こやつの目地ときたら、
女子の靴のヒールがぴったりはまってしまう幅なのだ。


今まで傷つけられた靴は何足にのぼることか…。
高いものは買わないけど、靴とバッグと腕時計をこよなく愛する私にとって、
これはとても悲劇的な状況である。


だいぶ前のことになるが、久しぶりにヒールをがっつり食われた。
どうやっても抜けず、しょうがないので靴を脱いで、手で引っ張って抜いた。
その時にヒールの部品がやられてしまったので、リペアショップで修理を
してもらっていたのだが、その時に
「これ、土台が割れてしまってるので、そう長く持たないかもしれません」と
宣告されていた。


兄ちゃん、あんたは正しかった。
靴は昇天したよ…。すっごく気に入ってたのに…。合掌。


以前はヒールのない靴が好きだったが、ここ1〜2年は女子らしい格好を
するのもわりと好きなので、ヒールの高い靴も良く履く。
ここから引っ越す日が来るまで、あと何回かこんなことが起きるのかな。


注意して歩いていればまあ大丈夫なんだけど。
朝はやっぱり走っちゃうからさ。