苗字

メモクリップに挟んだままのメモがある。
2ヶ月ほど前に行ったバーから持ち帰ったものだ。
バーで、年の行ったバーテンと盛り上がった話題は「珍しい苗字」。
このメモには、その時教えてもらった珍しい苗字が書いてある。
まあ、彼がふんだんに持つネタの1つなんだろう。


下に書いたのがその苗字。読める?


四月一日、六月一日、八月一日、月見里、小鳥遊、一口、鴨脚


その時に一緒に飲んでいた友人は、四月一日さんを知っていた。
四月一日は、はてなも拾っているね。)
私は一つも知らなかった。


正解は、次のとおり。
わたぬき、うりわり、ほづみ、やまなし、たかなし、いもあらい、いちょう


答えを教えてもらった時、思わずうなってしまった。
こんな苗字だったら、名刺交換の時に3分は話が持ちそうだ。
しかし世界的にステキな苗字。こういう時にプチ右翼魂に火がつくなあ。
HOP!STEP!玉砕!


学生の時に柿丸という苗字の友人がいた。
彼が病院の待合室で順番を待っていた時の話、
「こおろぎさ〜ん!こおろぎさ〜ん!」と患者さんが呼ばれたそうだ。
「こおろぎって珍しい苗字だなあ」と思った彼。
周りの人もそれは同じだったようで、キョロキョロする人も少しいた。


ほどなくして、彼の名前が呼ばれた。
「かきまるさ〜ん!かきまるさ〜ん!」
その瞬間、待合室中の全ての人間の視線がババッと彼に注がれたそうだ。


「こおろぎさんより珍しい俺の苗字って何やねん…」


後にこの話を聞いた時、大笑いをした覚えがある。
いやいや、羨ましい限り。
というわけで、このメモはゴミ箱にポイ。