父親に見る雄性

ずっと昔、誰ぞやの葬儀に出かけていた父親が、帰宅するや否や
「故人の娘が2人ともスチュワーデスで、もんのすごく美人だった」
という感想を述べたことがある。


まだまだピュアだった私はその時、父親に対して「うげー」という
思いを抱いたものだったが、今はその気持ちが良く分かる。
喪服の美人の美しさは、当社比150%。
今なら「マジ?それそそるね。私も見たかった」くらい言ってあげられるのに。


「少女」は、父親にオスを感じるのが嫌なのかもしれない。
でも、ある程度年がいってからは、それが嫌だとか気持ち悪いとか言ったり、
自分の中の雄性を父親が隠そうとするのは、そりゃまた変つーか、
父親がオスだから今の私があるわけだし。
まったくオスを感じない父親っていうのも魅力に欠ける。


で、なんでこんなことを思い出したかというと。
先日父親と飲んでいて、向かいに座った父親が私の顔をしげしげと見て、
「こうやって見ると、お前もなかなかかわいいなあ」と言ったため。
お父さんってばオス!と思ったんだけど、良く考えるとただの親バカか…。


ちなみにその時口に含んでいたワインを、毒霧ばりに吹き出して爆笑してしまい、
メー子からこっぴどく怒られた。赤ワインじゃなくて良かった…。


ま、前出の村上龍を読んだ直後だったせい、ってこともある。多分に。