回顧主義

こども関係の団体が出しているカレンダー。
1月はお正月、2月は節分、3月はひな祭り、というように
伝統的な行事が絵になっている。
ひな祭りなんか5段飾りだし、8月の盆踊りは大きなやぐらが組まれ、
やぐらの上でも人が踊っていたりする。


「なんでこども関係の絵ってこういうのばかりなのかしら?
本当に回顧主義よね。こんな立派な雛壇ややぐらなんて今どきないわよ。
他に楽しいことがいっぱいあるんだから、こういうことなんかわざわざ
やらないわよね。大人もこどもも」
50代の女性が話しかけてきた。


「まあそれはそうですね。
でも、こどもって昔の方が幸せだったと思いません?」
とあたしが言うと、
「そうだと思うわよ。こどもに明るい未来はないのよ」
という答え。


さびしいのう。